パパとムスメの7日間 / 五十嵐貴久
パパと高校生の娘が人格が入れ替わってしまったという設定の本です。入れ替わりってありきたりな設定ともいえますが、このパパとムスメの関係がほのぼのとしていたので楽しむことができました。 パパはムスメをとっても愛しているんだけど、ムスメは父親がわずらわしい頃。そんな頃って誰でもありますよねー。ちょうど微妙なお年頃なんです。私的には高校生からは遠くなってしまったけどムスメの気持ちもわかる、パパの気持ちもなんとなく理解できるってところで両方の感情を楽しむことができました。
父親と娘の心が入れ替わってしまい、女子高生の体に47歳のパパが、そしてパパの体に16歳の小梅が入ってしまうんです。普段は会話すらない親子だったのに、お互いの生活をなんとか維持させるために会話をして情報交換したりするようになるんです。そりゃ必死ですよね。小梅は友達に変だと思われたくないし、憧れの先輩からも変な目で見られたくない。父親の方も会社で16歳の娘が何をしでかすか心配ですもん。ましてや、もうすぐ新商品のプロジェクトも佳境に入り、大事な会議も控えているんですから。必死にお互いのことを覚えてもらおうとしている姿は、なんだか見ていてほっとさせられるというかほのぼのさせられる感じですよ。今まで理解しあうことができなかった2人なのに、今はお互いの日常を見て、お互いのことを考えている。なんかいいですよね~。
このパパがまた優しいんですよ。本当に娘を愛しているんだなぁって感じるんです。例えばね、お風呂とか着替えとかって困るじゃないですか。特に娘の体に入ってしまったパパの方が。もちろん娘はパパに見られたくないわけです。だから「目隠しして着替えて!」なんて無理な注文を出すんです。それをパパの方はちゃんと受け入れる。「赤ちゃんの頃から見てるんだから、娘の裸なんてたいした問題じゃないだろ!」って言ってしまわないところが優しい。娘の気持ちをちゃんとわかってあげているんですよね。うまく娘とコミュニケーションがとれなかっただけで、本当はとても娘のことを考えているパパなんだって伝わってきます。
ラストでお互いの体が戻った後の関係も素敵。
どんな風にいいのかは、読んでのお楽しみってことにしておきますね♪
タイトル:パパとムスメの7日間
著者:五十嵐 貴久