東京タワー オカンとボクと、時々、オトン / リリー・フランキー | 活字中毒

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン / リリー・フランキー

リリー・フランキーさんってなんとなく不思議な印象のおじさんというだけの存在でした。テレビに出ているのを見ても、奇妙な発言が多かったりしてそういう人っていう印象しかなかったんですよ。うちのダンナなんて「あの人、ホモじゃない?」なんて失礼なこと言ってたし。(リリー・フランキーさん、ごめんなさい。)


この東京タワーという本の評判は聞いていて「いい」っていうしなぁ・・・。でも、どうかなぁ・・・と思いながら読んでみました。


結果・・・。

いいです!


この本はとてもいいです。何がいいって、リリー・フランキーさんのオカンへの愛がすっごく感じられていいってのもあります。本当に時々出てくるオトンもいい味出してるし。でも、それ以上に私は彼の言葉の選び方がとても好きだと思いました。読んでいて気持ちが良い言葉の流れみたいなものがあるので、続きが読みたくてあっという間に読み終わってしまったんです。


ストーリーはご存知の通り、リリー・フランキーさんご自身の話。自分のオカンにまつわる話が書かれている本なのです。これがまた愛情たっぷりで、息子を持つ母な私としては「ここまで愛されてればオカンも幸せだったろうなぁ」って思うくらいです。っていうか、うちの息子たちもリリー・フランキーさんみたいに成長しても私のこと愛してくれるかしらと願いたくなるくらい。たぶんリリー・フランキーさんってマザコンですね。でも、悪い意味じゃなくていい意味で。母親がいないとなにもできない&頭が上がらないタイプのマザコンはちょっと・・・って思うんですけど、リリーさんみたいなタイプのマザコンだったら全然オッケーです、私。彼のような人は、オカンに限らず自分に関わる人間をとても大切にする人だと感じました。


オトンの人生は大きく見えるけど、オカンの人生は

十八のボクから見ても、小さく見えてしまう。

それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ。(本より抜粋)


母親ってそんなもんですよね。絶対的な無償の愛。

オカンの息子に対する愛。

息子のオカンに対する愛。

なんだか心がほっこりと暖かくなるような一冊でした。



タイトル:東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
著者:リリー・フランキー
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