悪人 / 吉田修一 | 活字中毒

悪人 / 吉田修一

この本は私にとって吉田修一さんの2作目です。1作目はパーク・ライフ という作品でした。最初に読んだパーク・ライフと、この悪人という作品は、だいぶ印象が違いましたよ。なんか違う人が書いたみたい。個人的には悪人の方がおもしろかったです。
保険外交員の女性が殺された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。逃げ続ける2人。加害者と被害者、それぞれの家族たち。なぜ事件は起きたのか、悪人とはいったい誰なのか・・・。

複数の人の視点から描かれたこの作品は、くるくると回りながらあちこちの目線から物語が進められていきます。主な登場人物は5人かな。殺された女性、その女性に関係する2人の男性、そしてそのうちの1人の男性と関係のある女性。そして殺された女性の父親。それぞれの感情を絡めて物語を読んでいくと、ずしーんときます。この本は結構すごいと思います。おそらく東野圭吾さんが好きな人なら楽しいと思えるのではないでしょうか。ちょっと似てるかなぁと私は思いましたよ。


善人だけど、犯罪者。

犯罪はおかしていないけど、悪人。

本当に悪いのはどちらなのか・・・。


何が善悪なのか、とてもしみじみと考えさせられた1冊でした。


タイトル:悪人
著者:吉田 修一 >>Amazon >>楽天 >>7&Y icon