活字中毒 -42ページ目
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TUGUMI / 吉本ばなな

このTUGUMIという本の主人公一応「まりあ」という女の子。でももう一人の主人公と言えるのが年下の美しい従姉妹「つぐみ」です。彼女は幼い頃から病弱で、医者には短命を宣言されているため、母親や姉(陽子)に甘やかされて育ったのです。だからすごくわがままで、意地悪な性格をしているんです。で、お姉さんであるこの陽子さんがとてもいい人なんですよ。これ以上優しい人はいないんじゃないかな?って思えるくらい。だから余計につぐみの性格の悪さが目立ってしまうんです。つぐみはとても性格が悪いんですけど、自分なりのポリシーがあってかっこいいんですよ。本当は優しい気持ちも持っているんですけど、それを表現することは彼女の「嫌な奴でいる」というポリシーに反するみたいなんです。それがとても現れているなと思ったのが、飼い犬「ポチ」に対する考え方でした。


食うものが本当になくなった時、あたしは平気でポチを殺して食えるような奴になりたい。もちろん、あとでそっと泣いたり、みんなのためにありがとう、ごめんねと墓を作ってやったり、骨のひとかけらをペンダントにしてずっと持ってたり、そんな半端な奴のことじゃなくて、できることなら後悔も、良心の呵責もなく、本当に平然として「ポチはうまかった」と言って笑えるような奴になりたい。(本文抜粋)


この徹底しした考え方ってすごいですよね。つぐみはポチのことが嫌いというわけじゃないんですよ。それどころか好きだといっているんです。普通の人だったら「犬が好き」と言った以上、飢饉になっても食べないって言うと思うんです。そして、こういう風に言った人でも、実際に苦しくなった時は犬を食べちゃうと思う人が多いと思うんですよ。もしかしたらつぐみとは違って、泣いたりペンダントにしたりするかもしれないですけどね。でも、どうせ食べちゃうなら「うまかった」って言えるつぐみの方が好きだなって思います。

著者: 吉本 ばなな
タイトル: TUGUMI(つぐみ)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり

4人の兄弟が古いタンスの奥に入ったことをきっかけに、ナルニア王国へ迷い込んでしまいます。その国は一年中冬の雪景色。冬の魔女に支配された国を救うため、正義のライオン「アスラン」とともに戦いながらその世界と深く関わっていくお話です。

私が小学生の頃に初めて読み、大好きで何度も繰り返し読んだ本です。その後、大人になってから読み返してもやっぱりおもしろかったのがすごい。何年経っても良い本は良いんですね。

この作品はシリーズ化されていて、全部で7作品になっています。
  ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)
  カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり(2)
  朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり(3)
  銀のいす ナルニア国ものがたり(4)
  馬と少年 ナルニア国ものがたり(5)
  魔術師のおい ナルニア国ものがたり(6)
  さいごの戦い ナルニア国ものがたり(7)

この7作品は時代が順番ではないのですが、すべて読むとなぜナルニアが冬の魔女に支配されてしまったのか。そして、その後どうなっていくのかわかるようなつくりになっています。
なお、全巻一度に集めたいという場合、全集 も出ていますよ。

この本がディズニーによって映画化 されることが決ったそうです。日本では2006年春に公開予定。楽しみですね。映画になる前に全巻読破してみるのもおもしろいと思います。

著者: C.S.ルイス, 瀬田 貞二, C.S. Lewis
タイトル: ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり

こっちにおいでデイジー!




著者: ジェーン・シモンズ, 小川 仁央
タイトル: こっちにおいでデイジー!


【ストーリー】
デイジーというアヒルの子が、ママと出かけます。
「ママのそばにいるのよ」 「ここにいなさい」
何度ママに言われても、デイジーは周りの様々な物に興味が湧いてしまって勝手に1人でふらふらと動いてしまいます。気がついたらひとり。寂しくて不安で、そんな時に限って怖い思いをする。草むらに隠れていると、誰かが近づいてくる気配が・・・。きたー!でも、それはデイジーを探しに来たママでした。やっとママに会えたデイジーは、もう何を見てもそばから離れませんでした。



子供って気がつくと勝手にフラフラとどこかへ行ってしまうんですよ。
デイジーのママと同じセリフは、私も何度言ったかわかりません。(^_^;)

この本を読んであげたとき、トモはデイジーと自分をかなり重ねて考えたらしくママとはぐれてしまったシーンでは「ママはどこにいったの?どこ?」ととても悲しそうに泣き出してしまったくらい。一瞬、自分が迷子になってママとはぐれてしまったような気持ちになったのかもしれません。

本を読み終わった後「このお話はちょっと怖いね。トモは一番最後のページが好きだよ」として聞かせてくれました。トモはデイジーがママと寄り添うイラストが一番気にいったようです。ママと会えた安堵感もあるのかもしれないですね。終わった後も、思い出したのかしばらくは私にしがみついて泣いていました。

この絵本は2歳児にとってちょっと刺激が強すぎたかな?初めて読んであげた日以来、デイジーの本は本棚入りとなりました。どうやら「怖い」という印象の方が強くなってしまったらしくて「怖いからイヤ」と言われてしまって読ませてもらえません。私がよっぽどリアルに怖さを出してしまったのかしら。ショック、素敵な挿絵の本なのにな。

でも、デイジーの気持ちになって自分も迷子にならないように
気をつけてくれるとママは嬉しいなぁと思ってしまいました。

おつきさまこんばんは

空に浮かぶおつきさまに「こんばんは」と挨拶をする絵本です。途中で雲が流れてきておつきさまを隠してしまうのですが、それすら「ちょっとおつきさまとお話をしていたんだ」という流れになるんです。全体的にとてもほのぼのした作品になっています。絵も柔らかい感じで素敵です。

この絵本は息子が1才の頃に大好きだったものです。まだあまりしゃべることができない頃「こんばんは」のシーンになると、ちゃんと頭をさげて一緒に「こんばんは」をしていました。その姿がとても可愛くて忘れられません。今では「こんばんは」って言えるようになってしまったので、残念ながらその姿は見れなくなってしまいましたが・・・。

1歳を過ぎた頃の小さなお子様におすすめだと思います。
私は友人の出産祝いにプレゼントをしたこともあります。


タイトル: おつきさまこんばんは
著者: 林 明子

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