活字中毒 -5ページ目

旅3月号~パリの食卓に学べ!!

結構旅が好きな私ですが、今まで行ったのは「香港、韓国、サンフランシスコ、マレーシア、バリ、ハワイ、グアム・・・」と、海外はこんな感じなのです。ヨーロッパは行きたいなぁと思っていたのにチャンスを逃していたんです。でも、子どもが産まれてからは「自分の行きたいところ」ではなくて「子どもと一緒に楽しめるところ」が基本になってしまっています。だから遠くは無理。気持ちだけでもパリを味わってみる?と思って読んでみました。


憧れのパリ。しかも、特集が食卓や食器ときたら、私のツボにぴったりなんです♪蚤の市で古いお鍋や食器を探し歩いている風景。パリに住む人々の食卓が、とてもきれいな写真で紹介されていました。この雑誌って、掲載されている写真がとてもよいです。あぁ、うっとりしてしまう・・・。


アンティークの食器って素敵ですよね。そんなアンティークの食器を日常使いしているのが、もっと憧れる。私だったら、ついつい飾っておいて使わなさそうな気がするんです。でも、本当は食器って使わないと価値がないですもんね。飾っておくよりどんどん使う。こういうのって慣れなのかもしれませんね。貧乏性?な私は「壊したらどうしよう・・・」って思うから、ついつい気に入ったものほど使わずにおいてしまうんです。(^_^;)


この「旅」のパリ特集は、私の海外に行きたいーーーーーーーーーという欲求を高めてしまったみたい。ヨーロッパ方面、パリもそうだけどイタリアも行きたい。スペインも行ってみたい。ドイツだって行ってみたい。はぁ、あちこち旅をしたいです。


余談ですが・・・。

今年の春、ダンナは会社のご褒美旅行でモンテカルロに行けるんですってー。夫人は同伴OKなんだけど、子どもは同伴不可。せっかく会社の経費でモナコへ行けるチャンスだったのに、4歳と0歳の子どもを置いてなんて行けないっっ。なんて意地悪な会社なんでしょうね~。残念です。(T_T)



旅 2007年 03月号
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livedoor BOOKS
書評/




 ←こちらから献本していただきました♪

手紙 / 東野圭吾

東野さんってどうしていつも私を悩ませるのだろうか・・・。

この手紙は弟の学費を稼ぐために強盗殺人を犯してしまった兄と、その弟のことを描いた作品です。ニュースなどで殺人など話を聞くたび、被害者には同情し、加害者には憤る。でも、その加害者の家族にまでは想いが達しないのです。想像力がない私を補ってくれるようなストーリーに、ため息が出ました。東野さんの作品は、どれも読み終わると複雑な気持ちになります。


弟の学費を得るために強盗殺人を犯し、服役中の兄・剛志から月に一度届く手紙を弟・直貴は複雑な気持ちで眺める。進学や恋愛、就職などあらゆるところで直貴が幸せになろうとすると「強盗殺人犯の弟」というレッテルが邪魔をする。どんなに自分が努力しても、すべてその一言で覆される現実に直貴はショックを隠せない。直貴を大学に行かせたいという理由で罪を犯したと知ってはいても、兄を憎む気持ちがだんだん強くなる。

犯罪加害者の家族は差別をされる存在なのか・・・。

加害者の罪はいつか償えるのだろうか・・・。

どんなに努力しても、たった一言「強盗犯の弟」という言葉だけですべてが帳消しになってしまうつらさ、葛藤、憤り。直貴の気持ちが手に取るように伝わってきました。自分が何をしたわけじゃないんだからと思っていても、周囲はそう思ってくれないんですよね。結局のところ人は「血」というのを信じていて、強盗犯と同じ血が流れているという事実が不安にさせるだと思います。人間としての防衛本能ですよね。かわいそうだとは思うけど、自分は関わりあいたくないというのが本音なんだと思います。心が痛みました。こうやって本を読んでいるだけだから「直貴がかわいそう!」って思うのだけど、私だって実際に身近にそういう人間がいるとわかったら普通に接することができるかどうか・・・。別に直貴が悪いことすると思うまではいかなくても、なんとなくぎくしゃくしてしまうんじゃないかな。


直貴が勤めた会社の社長が彼にこう言うんです。


差別はね、当然なんだよ。


我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。

自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる

-すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。

この社長は犯罪者の家族が差別され続けるのは、仕方のないことなんだと正当化しているんです。これから犯罪を犯そうとしている人に「犯罪者の家族は周囲から差別されるんだ」ということを思い知らせる必要があるってことでしょうね。そうすることによって犯罪を抑制できるのならいいのだけど、既に加害者になってしまった家族にとってはとてつもなくつらいことだと思います。犯罪者の家族であるという事実がどんなに隠しても一生ついてまわるんですから。

悩んだからといって解決する話ではないのですが・・・。

また1つ、東野さんは私の心に石を投げ入れていった感じがしました。


タイトル:手紙
著者:東野 圭吾

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図書館戦争 / 有川浩

本のある生活 のjuneさんにオススメしていただき、 あちこちのblogで「おもしろい!」との評判が高かった図書館戦争を読んでみました。そもそも、なんで図書館と戦争という言葉が結びつくのかしら・・・と不思議に思っていたのですが、読み始めてびっくり。この作者さんの頭の中ってすごいと思います。となり町戦争を読んだときもびっくりしたけど、こちらの作者さんの方が同じ戦争でもおもしろいと感じました。


図書館の自由に関する宣言
一、図書館は資料収集の自由を有する。
二、図書館は資料提供の自由を有する。
三、図書館は利用者の秘密を守る。
四、図書館はすべての不当な検問に反対する。


図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。


いきなりこんな文面から始まるんです。
図書館の自由!?いったいなんだそれ??図書館というのはこんなに自由を訴えるような場所だっけか?こんなに勇ましいこと言うような施設だったか??と、とても奇妙に感じました。読んでみるともっとすごいんです。


公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行され、それに対抗するようにしてできたのが上記の「図書館の自由に関する宣言」。メディア良化委員会によって様々なメディアが検閲、流通差し止め、放送規制あるいは訂正命令などが行われるようになった今、検閲を退けて自由にメディアを収集し、市民に提供する権利を有する図書館はメディア良化委員会の敵としてみなされるようになったのです。メディア良化委員会からの攻撃に耐えられるように、図書館でも独自の警備隊を持つようになりました。そんな中、主人公の笠原郁は念願の図書館の防衛員として採用され、毎日軍事訓練に励んでいます。これは郁や同僚、上官たちの図書館を守る戦いのストーリーです。

このメディア良化法はこういう表現はよくないとか、こういう思想をもった作者の本はダメとか、勝手に独自の考えでメディアをどんどん規制しちゃうんですよ。こんな法律やばいだろうって感じなのですが、この本の国民たちはそんなことにも気がつかずに立法させてしまうんです。(いまの日本でもありえる話ですよね)でも、図書館だけは違う。どんなメディアでも自由に収集したり、貸し出しできたりするんです。メディア良化委員のせいで書店に置けない本でも読むことができてしまう。だから図書館は敵となってしまい、火器を使うほどの激しい攻防が繰り返されるようになってしまうんですよ。図書館のスタッフといえば普通は穏やかなイメージですが、彼らは違う。自衛隊なみに訓練を受けたプロの防衛員なのです。もちろん専守防衛なところも同じ。発想がそうとうおもしろいです。この良化委員会のやつらが、また嫌な感じなんですよ。本が大好きな私としては本を乱暴に扱われるだけでも腹が立つのに、児童書や子ども向けの絵本までくだらない理由をつけて書店から取り上げてしまうんです。はー、許せない!!と読みながら1人で憤慨してしまいましたよ。郁たちと一緒に戦いたくなってしまうくらいです。(ま、私はへなちょこなので役に立たないと思いますが・・・)


本は340ページと若干厚めなのですが、ノリがとても軽くて読みやすいのであっという間に読み終えることができました。本を読む自由を守る戦いというシリアスな設定のわりには、主人公たちのキャラクターも軽くておもしろくてバカバカしい。どちらかというと単純に笑える楽しめる1冊だと思います。昔よく読んだコバルト文庫みたいな雰囲気の作品といったら、雰囲気が伝わる人もいるかなぁ。続編の図書館内乱 という作品も出版されていて、2月10日には図書館危機 という新刊も出るとのこと。こちらも読んでみたいです。


ちなみに最初の「図書館の自由に関する宣言」は実際に日本図書館協会 で使われている文言と同じものなんだそうです。図書館に行くと掲げられているところもあるみたいですね。私はこういう協会があったことも知りませんでしたが、図書館という場所がこんなにすごい崇高な目的の元に作られているだなんてちっとも知りませんでした。世の中ってまだまだ私の知らないことだらけだなぁと感動してしまいました。本を読むっていろんな情報が入ってきて、本当に楽しい♪

タイトル:図書館戦争
著者:有川 浩

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ガール / 奥田英朗

30代のキャリアガールたちの話です。ちょうど私と同世代か、少し上くらい。私も結婚や出産をせずに仕事を続けていたら彼女たちみたいな葛藤がたくさんあったんだろうなぁなんて思いながら読んでいました。


この本には5つの短編が入っています。

「ヒロくん」

ダンナより稼ぎも多く、出世して課長という役職までついてしまった聖子。女の下で働くことを不満に思う年上部下の反発に負けそうになり・・・。

「マンション」

入社して12年、結婚の予定なしという同じ条件の女友達がマンションを買った!それを聞いたゆかりの心はゆれ、マンション購入を夢見るが・・・。

「ガール」

32歳になった由紀子はいつまで自分がガールでいられるのかと不安になってきた。若い頃は当然だった特典(恩恵?)もしだいに減ってきているのを感じている。38才になった先輩のお光がいつまでもガール気分でいるのを複雑な気持ちで見ているが・・・。

「ワーキング・マザー」

シングルマザーの孝子は息子が小学生になったのを機に、営業職へ復帰した。シングルマザーで誰も子育てを助けてくれる人がいない孝子に周りが気を使うのだが、それがまた孝子の負担となり・・・。

「ひと回り」

35歳になる容子は新人の世話係に任命されたのだが、その新人・慎太郎がさわやか青年で容子の好み。でも、ひと回りも年下だったのだ。周囲の女性陣の浮き足立った雰囲気に慎太郎を奪われるような気持ちになってしまい・・・。

という感じで、どれも30代の働く女性たちが強くたくましく生きている様子を書いている本です。みんなかっこいい!自分の仕事に自信をもって生きている感じがします。でも、30代にもなるとただかわいらしく頑張っているだけでは駄目。腹の据わった彼女たちの姿は生き生きとしていて素敵でした。あぁ、私ももう少しキャリアを積んでおけばよかったかなぁなんてうらやましくなる気がしました。もちろん彼女たちにだって悩みや不満はあるのだけど、それを乗り越えていく姿を見せられるとね。いいなぁなんて思ってしまうのです。


きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。

既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。

(ガール文中より)


この言葉って「ウムム、確かに・・・」って思ってしまいました。いっぱいいっぱいの時って自分だけが焦っているような気持ちになるけど、本当は違うんですよね。みんなそれぞれ違う形で焦ってる。ブルーになったりもする。それは結婚していてもしていなくても、子どもがいてもいなくても同じ。それぞれの暮らしや条件は違っても、同じなんだろうなぁって。


この本は本当にブルーな気持ちや焦る気持ちを吹き飛ばしてくれるものだなと思いました。仕事に行き詰ったり、生活に行き詰っているなら読んでみるといいかも。特に女性!とても気持ちよくすっきりした気分になれますよ。


タイトル:ガール
著者:奥田 英朗
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クロワッサン特別編集 昔ながらの暮らしの知恵 / マガジンハウス

まさにおばーちゃんの知恵袋って感じの一冊です! 私なんかもそうですけど、最近の人っておばあちゃんと暮らしたことがある方が少ないんじゃないかなぁなんて思います。若い人だけの暮らしだと新しい技術や品物はどんどん入ってくるけれど、古いけどいいものというのが廃れていってしまう。だけど昔ながらの方法や物がいい場合もあると思うんです。そんな「古き良き物や考え方」をまとめてくれているのがこの本です。


掃除、洗濯などの家事全般、人間関係に健康管理など。できるだけ簡単に時間をかけずに効率よくというのも確かにいいと思うんです。でも、時間は少しかかるけど、ひと手間かけた丁寧で贅沢な暮らしは別の幸せを運んでくれるような気がします。


作れるものは自分で作る。

どんなものでも簡単に捨てずに大切に使う。

クスリに頼らずに健康管理する。

季節に合わせた行事で、心を豊かにする。


今の私が全部こういう昔ながらの暮らしにするのは絶対に無理だと思うし、たぶんやってみたとしても途中で悲鳴をあげてギブアップしちゃうと思うんです。でもね、できるところだけ&無理のない程度でいいから残していきたいなぁと感じました。なんていうのかなぁ、別にわざわざ本に書いてあるみたいに自分でお味噌やお酒を作らなくてもいいと思うんですよ。買っても、手軽な値段でおいしいものがたくさんありますもんね。手縫いで作るのだって、絶対にミシンの方が簡単だし時間も短縮できるし。だけど、こういう姿勢というか考え方というか、そういうものに憧れをもちました。


本の中で評論家の吉沢さんという方が「始末のいい暮らし方」というお話を書いています。始末っていうと捨てることを想像してしまう私ですが、整理をつける・倹約するといった意味なんだそうです。捨てると整理するとではだいぶ印象が違いますよね。吉沢さんが言うところの始末のいい暮らしとは、必要なところにはお金を使い、不要なところには使わないということ。贅沢に憧れてバランスを崩すような暮らしではなくて、自分の足元を見て生活を考えようということなんです。うぅ、胸が痛いと思ってしまった私ですが、記事を読んでいて確かにそうだよなぁと納得することも多々ありました。


身の丈にあった、季節を感じながらするつつましい暮らし。

いまよりも心が豊かになれるんじゃないかなぁ・・・。



クロワッサン特別編集 昔ながらの暮らしの知恵。
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書評/




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